第110回 山行記「至仏山(1泊)」 2015.7.27~28

実施日:平成27年7月27日(月)~28日(火)

  場 所:尾瀬ヶ原(約1,400m)と至仏山(2,228m

  参加者:14

 

  今回の山行は6年前の同時期に実施された山ですが、バスの乗り入れ、歩行時間等    

  を検討した結果前回と同じルートを歩くことにしました。

 第一日目・727日、晴れ

数日前から台風12号の進路が気になる山行ですが、今朝は素晴らしい快晴である。

いつも通り谷津船橋ICから入り(5:30)、東関道、首都高から関越自動車道へと向かう。途中三芳PA、赤城高原SAにて小休止し、沼田ICにて高速道路を下り、国道120号線に入る。以前までは尾瀬へのアプローチは途中にある椎坂峠のくねくねした道を登っていたが、現在は二年前に出来た椎坂トンネルのお蔭で一気の峠越えであった。

バスは順調に進んで鳩待峠に着く(9:20)(1591m)。トイレタイム、準備体操、入山届提出後、山の鼻へ向かう(9:40)。石畳の樹林の中を下って行くと、山道は木の階段から木道に変化する。左手上方には明日登る予定の至仏山が良く見えている。今日の天気は晴れを約束されているようだ。川上川に沿って平坦な木道を歩き、小湿原を過ぎると山の鼻ビジターセンターの屋根が見え、暫らくして山の鼻到着である(10:50)(1407m)。ここには3軒の山小屋があり、我々は前回と異なる東側の尾瀬ロッジにお世話になる。ロッジ前で昼食をとり、不要な荷物をロッジに預けて尾瀬ヶ原散策に向かう(11:30)。尾瀬ヶ原に出ると、前に燧ヶ岳(2356m)、後に至仏山(2228m)が雲一つなく良く見えている。天気が良くて大変暑く、水分補給に注意しながらの木道歩きとなる。道中期待したニッコウキスゲの花が少なく、ヒツジグサもまだあまり咲いていない。湿原の水の中にはアカハライモリやオタマジャクシが多く見られた。牛首分岐に到着する(12:20)。竜宮方面から来た登山客の情報によると竜宮もニッコウキスゲが少ない様子。ここで当初の計画を変更し、大変暑いので樹木の日陰があり、ニッコウキスゲがあると思われるヨッピ橋の方へ向かう。

しばらく歩くと突然日本鹿が湿原の中に現れた。跳躍力のある元気な鹿である。引き続き木道を歩くと白樺林があり、日陰で涼を取る。ニッコウキスゲも牛首よりは多く見られる。やがて吊り橋のヨッピ橋に着く(13:10)。とにかく直射日光を浴びて暑い。ここから今来た道を牛首分岐経由で山の鼻へ戻ることにする。途中で木道上に倒れこんでいる登山客が見られたが熱中症であろう。ツアー客でガイドが同伴していたので、我々は尾瀬ロッジに戻った(14:40)15時からの入浴後冷たいビールで喉を潤し、その後17時の夕食までの間、尾瀬植物研究見本園を散策する。燧ヶ岳、至仏山が一日中見えていて明日の天気が期待される。

 第二日目・728日、曇り時々雨

 6時の朝食前に突然雨が降り出した。かなりの降雨量で、雷鳴も聞こえている。天気予報だと9時頃まで雨の様子。ルート変更を考え、幾つかの候補地を上げて検討し、至仏山登山を断念する方向で進めていた。ところが7時過ぎ急に青空が出てきた。

少し遅れたが当初の計画どおり至仏山に向かうことにする。準備体操後、尾瀬ロッジを出発する(7:15)。昨日見た尾瀬植物研究見本園の中をしばらく進むと左へ分岐する。いよいよ至仏山への登山道である。樹林帯に入ると急斜面の登りが始まる。木の階段、木道、石畳の道を登って樹林帯を抜けると雨が降り出してきた。雲の間に山の鼻の三つの山小屋が時々見えているが、尾瀬ヶ原、燧ヶ岳は雲の中である。さらに木の階段、クサリ場を幾つか越えると平坦地が広がる高天ヶ原に着く(11:00)。至仏山に見られるはずのホソバヒナウスユキソウを探してみるが少ししか見られない。今朝の雨で蛇紋岩がよく滑る。広い尾根筋を進みハイ松の間を抜けると至仏山頂上到着である(11:15)(2228m)

晴れていれば360度の展望が見られるはずであるが生憎のガスで見られない。山頂にて記念写真、昼食をとり小至仏山に向かって下山開始する(11:35)。蛇紋岩特有の滑りやすい岩尾根を上り下りして進んで行くと台地状の小至仏山山頂に着く(12:30)(2162m)

さらに岩尾根を下るとお花畑に出る。コバイケイソウの群落が見事である。お花畑を通って下って行くとベンチがあり一休みする。ここから樹林帯に入って行き、右に笠が岳への道を分け左の鳩待峠へ進むとオヤマ沢田代に着く(13:20)(2035m)。ここにはオヤマ沢源頭からの水場があり、各自水を補給し喉を潤す。水場から樹林帯の長い下りが続き、針葉樹から広葉樹に変わると鳩待峠に到着する(14:30)(1591m)。鳩待峠では長時間バスの駐車は有料となる為、すぐに沼田市内の「望郷の湯」に向かう。道の駅「白沢」に隣接している「望郷の湯」は大きな施設でゆっくり入浴することが出来た(15:40~17:00)

帰路は沼田ICから入り、三芳PAで休憩し予定通り20時頃習志野に帰着した。

 

(後記)

①ニッコウキスゲが前回とくらべて少ないので山の鼻ビジターセンターに後日聞いたところ、日本鹿の食害でここ数年減っている様子です。花も最近ヨッピ橋方面に残っていて、そこに日本鹿が出没しているとの事です。

②湿原の水中に多く見られたサンショウウオらしい物体はアカハライモリだそうです。(山の鼻ビジターセンター調べ)

③尾瀬は水が豊富なせいか、尾瀬ロッジはトイレ(ウォシュレット)、浴室、洗面所等の数も多く快適でした。

                                  (一班・矢島)