第8回 夏の特別山行 「南アルプス、標高日本第2位・北岳3193mと第3位・間の岳3190m縦走 2泊3日・山小屋泊まり」 2016.8.3~5

◆主な行程・時間 : 【2泊3日:累計標高差4026m/17時間08分・休憩込み】山行

◇8/3水曜 : 広河原山荘1520m(登山口)11:27出発-白根御池小屋2236m 13:55到着

<1日目累計標高差716m/歩行時間2時間28分・休憩込み>

 

◇8/4木曜 : 白根御池小屋2236m 4:35出発-肩の小屋3010m 7:32(774m、2時間50分) 7:50-北岳3193m山頂 8:30到着(183m、40分)9:05-北岳山荘2900m 10:35(293m、1時間30分)10:50-中白峰3055m山頂 11:25到着(155m、50分)

-間の岳3190m山頂 12:35到着(135m、1時間10分)12:40-北岳山荘2900m 14:00(290m、1時間20分)

<2日目累計標高差1830m/歩行時間:9時間25分・休憩込み>

 

◇8/5金曜 : 北岳山荘2900m 5:15出発-吊り尾根分岐3000m 7:35-八本歯コル-広河原山荘1520m 10:30 

<3日目累計標高差1480m/歩行時間:5時間15分・休憩込み>

 

昨夏Memberと同じ松﨑君と櫻井さんの3名。

悪天候予報で予定を一日延期、この判断が幸いして3年連続で「好天に恵まれた夏の特別山行」であった。

 

【8/3 水曜】

新宿から松本行き【Superあずさ1号】7時出発、甲府駅から「快速・広河原行き」Shuttle-Bus、9時出発。

定刻より12分遅く11:05「広河原」到着、曇り。【南ア・安全指導センタ-Alpen-Plaza広河原】でLunch休憩。

 

11:27登山開始。「野呂川」上流に掛かる【吊り橋】を渡り「広河原山荘」の手前横から左に入り「大樺沢」左岸・樹林の中、登り始める。

初日の今日は小屋まで約3時間の行程で精神的・体力的には楽である。

樹林帯の小尾根を登り「大樺沢二俣コ-ス」分岐を右に進み、しばらくして急坂が始まる。

木の根や段差が高く一歩一歩高度を稼ぐ厳しい登りが続く。

13:55今夜の宿泊地「南アルプス市営・白根御池小屋2236m」到着。標高差716mを2時間28分。

途中、下山/登山も少ない出会いで静かな山行を味わった。部屋2階に男女合い部屋10名、3名布団2枚。

隣の「無呼吸症候群・大鼾」には難儀で安眠できず。

 

【8/4 木曜】

朝食無し4:40出発。今日は【北岳-間ノ岳縦走】計画。

早朝には「星」も観え、好天が期待できそうで間もなく東の空が明るくなり「鳳凰三山」の後から日ノ出。

「小太郎尾根分岐」まで約500mの直急登は、通称「草スベリ」と呼ばれ、草原状の急斜面を登り始めると多くの高山植物が目に入る。

左前方上部にゴツゴツした岩肌の「北岳」が観え、左の「大樺沢」に残雪を発見、例年より早く溶けて少ない。

途中、6時「シカ除け網」傍で4回目の休憩・朝食「弁当」を。「大樺沢二俣」との分岐、右北方に「八ヶ岳主峰・赤岳」が。

「習志野山楽会」に入り、2010年7月【初めての一泊山行・初のアルプス「仙丈ケ岳3032m」、「馬の背ヒュッテ」から眺めた

「甲斐駒ケ岳2967m」、頂上から眺めた「富士山・北岳・間の岳」 “三山揃い踏み” 」に感激、いつか「北岳」を、1年後に実現

6年振りに対面出来て再び感激。そして5年後の今日はこれから登る「間の岳」。「富士山」も遠く雲海の上に顔を出している。

苦しいながらも「周囲の山々、裾野に広がる雲海」が幻想的・墨絵の世界。

「健気に花を咲かす高山植物群」に癒されながら高度を稼ぐ。

北に「中央アルプス連峰」頂上付近が雲の中だ。「ハイマツ」のジグザグ道を上り、「小太郎尾根分岐2850m」に出て稜線歩きに。

あくまでも真っ青な空、段々と気温が上がりガス・雲が下から吹き上げ、目指す「北岳」山頂手前の岩肌がガスに覆われ始める。

「小太郎山分岐点」から幾つかのコブを越え7:30「北岳の肩3010m」到着。周囲の山々を眺めて休憩後、いよいよ山頂を目指す。

頂上まで20分、岩・ガレ場が続き、足元には可憐な高山植物が咲き誇る。ガスの中の頂上に数名の登山者を確認。

 

8:30【日本第2位の高い峰・北岳3193m:国内最高の三等三角点】山頂に至る。小屋を出発して3時間50分/標高差956m。

頂上には、登頂の達成感に浸る数名が各々陣取っている。

南はガスで視界悪く、残念ながら「富士山」は既に「雲隠れ」で観えない中、記念撮影。

 

9:05頂上を後に「北岳山荘」へ向け下山開始。ここで大きなRoute誤りを犯す。最初の踏み跡を下り始めると急な岩・ガレ場に入る。

変だと気付き、最大限の注意を払いながら稜線に戻る。怖かった!岩稜の右側を巻いて下り「(池山)吊り尾根分岐点3100m。

この先も岩稜の右側を巻いて急下降し、すっきりとした尾根通しの道となる。

 

10:25今夜の宿泊地「市営・北岳山荘2900m」到着。部屋2階、今夜も男女合い部屋12名、3人布団2枚と混雑。

10:50必要な物だけ持参で「間の岳」に向かう。

濃いガスの中を進み、暫くは緩やかな登りだが次第にキツクなって11:25視界Zeroの中、「中白峰3055m」到着。

ここから直ぐに「間の岳」へ。「イワヒバリ3羽」と「雷鳥の母鳥+7羽の子鳥」に続けて遭遇。

 

12:35【日本第3位の高い峰・間の岳3190m】山頂に。間もなくポツリと雨が降り出し急いで山荘へ戻る。

無事に山荘到着、雨天で山荘は大勢の人でゴッタ返していた。夕方、雨が止んだので外へ、雲が取れた「中白峰・間の岳」を眺めた。

夕食後は「富士山」、部屋から微かに観えた。当初は、最終日・明日の計画「農鳥岳-大門沢小屋-奈良田への“白峰三山縦走”」は

好天の天気予報だが、メンバーの一名の体調が悪いので中止。

「吊り尾根分岐-八本歯コル-大樺沢経由広河原」下山に決め、就寝。

 

【8/5金曜】

早朝、朝飯前に「間の岳」に向かう周囲の人のざわめきで起床、4時前の空には「北斗七星」等の星が、今日も好天だ。

朝食後、日の出を観に外へ、富士山も雲海の上に顔を出している。

 

5:15山荘出発、最終日を迎え「北岳」方面への急登はキツイ。

途中、振り返ると「北岳山荘、中白峰、間の岳、農鳥岳」の頂き・稜線が鮮やかに朝陽を浴び素晴らしい光景を魅せる。

「(池山)吊り尾根分岐」から「左俣コ-ス:難所の八本歯コル」へ下りる。

「八本歯のコル」側のトラヴァス(山の斜面横断)は高度感に溢れ、緊張感を持って「木製梯子」を数個下りて行く。

昨日までとは異なり、金曜は週末を控え、次々と登って来て擦れ違う度に「登り優先の待ち」を繰り返す。

特に「大樺沢」は残雪・雪渓が涼しいので連なって登って来る。陽が照って来て日差しが強く感じるが雪渓・沢風が涼しい。

分岐点の沢出会い付近には、多くの登山者が休憩を取っている。

後ろを見上げると下りて来た頂上方向「北岳バットレス」は、既にガスが掛かっている。

 

雪解け水が流れる「大樺沢」を左右に観ながら樹林帯に入り疲労のせいか無言で黙黙と下りる。

幾つかの沢に架かる各種素材の橋を渡る。ひときわ甲高く「コマドリの鳴き声」近くでハッキリと聴こえた。

雪解け水で水量が増した沢の音は、依然と変わらず話し声を消す位の物凄い迫力の音と流れ方である。

幅狭い沢筋の沢水で口をすすぎ、首を冷やす。

往路と同じ「白根御池分岐」、往路で気付かなかった「モミ・クルミやブナの樹」林を抜け、「広河原山荘」屋根が見えてきてホッとする。

「野呂川吊り橋」を渡り「出発地【南ア・安全指導センタ-Alpen-Plaza広河原】」に10時半、無事到着。

 

「吊り尾根分岐」から標高差1380mを3時間弱で一気に下山したが、甲府駅行き快速huttle-Busは10分前に出たばかり。

「芦安駐車場」経由でShuttle-Bus利用に切替え。9人相乗りTaxiで移動。

「芦安駐車場」到着するも甲府駅行きShuttle-Busがここでも10分前に出てしまった。

次まで2時間半余り、温泉で3日間の汗を流し「無事下山に乾杯・Lunch」。バスは大混雑で運良く途中から座れた。

甲府駅15:27始発「かいじ116号」を予約。この日の甲府市内は「山の上との温度差20度以上」35度を超す物凄い暑さ。

夕方の通勤Rush始まる前、1812津田沼駅到着、Walkingで無事に帰宅18:37。

 

*気づいた高山植物:

黄色い・シナノキンバイ/ミヤマキンポウゲ/ミヤマオトギリソウ/マルバダケブキ/タテヤマ(トウヤク)リンドウ、青紫・シナノナデシコ、

薄紫色・タカネナデシコ、橙色・クルマユリ、白い・ミヤマコゴメグサ/ハクサンイチゲ/ミヤマカラマツ/ミネウスユキソウ(Edelweissの仲間)、赤紫色・ヨツバシオガマ

*遭遇した野鳥: 三羽のイワヒバリ、雷鳥の母鳥+七羽の子鳥

*鳴き声のみの野鳥: ウグイス、コマドリ                                      (記:笹川 満)