第130回 山行記「天狗岳」2017.7.31~8.1

 

「第一日目」731

 

 ここ数日来迷走している台風5号を気にしながらの山行スタートです。谷津船橋IC(5:35)から首都高~中央高速へと進む。途中で石川PAと中央道原PAで小休憩を取るが、原PAにはお弁当に相当する品がなく、諏訪ICを出てからセブンイレブンにて調達する。国道152号線から国道299号線の白樺林の美しいメルヘン街道を通り麦草峠に到着です(8:35)(2,120m)

 

 

 一泊山行の身支度し、ストレッチ運動してから出発する(9:30)。心配していた天候は晴れている。麦草峠からしばらく草原を歩くと木道になり、丸山への道を分けて進むと「白駒の奥庭」に出る。ここは白樺等に囲まれた坪庭のような大変美しい奥庭です。登山道は一時メルヘン街道に接近し、白駒池駐車場からの道と合流すると白駒池に向かう観光客が多く見られる。さらに針葉樹林帯の薄暗い道を進む。林床にはびっしりと美しい苔が広がっていて癒される空間です。やがて林間に白駒池が見えてきた。標高2,000m以上にある高山湖では国内最大と言われているのが白駒池です。池の畔には白駒荘があり、池を一周する遊歩道も整備されている。遊歩道を左に分けて高見石に向かう。急な階段状の木道と大きな岩石を乗り越えて進むとやがて高見石小屋に着く(11:40)(2,270m)。小屋の周辺にはハクサンシャクナゲの薄いピンク色の花が咲いている。ここで昼食を取る(11:4012:20)。そばにある高見石は八ヶ岳の大きな噴石が堆積した高台で、樹海の中の白駒池が一望できる。

 

昼食後、今日の宿泊地である黒百合ヒュッテに向かう。北八ヶ岳の主稜線上を南方へ少し下って樹林帯の中の長い岩石の道を登り返すと展望の開けた中山展望台に着く。南方の目の前には天狗岳の双耳峰が良く見え、北西の奥には蓼科山見えている。ここから少し東側に進むと中山に着く(2,496m)。さらに稜線上を進み「にゅう」からの道と合流すると中山峠に着く。東側へはミドリ池、西側へは黒百合平への峠道です。我々は西側の黒百合ヒュッテへの道を下る。樹林帯の中の道は木道になり、ほどなくしてテント広場に出て黒百合ヒュッテに着く(15:10)(2,400m)。夕食(17:30)前のひとときをビールで喉を潤し会談する。消灯20:30。外気温は13℃で思っていたほど寒くない。

 

 

 

「二日目」81

 

 南信地方に大雨警報が出ていて、北八ヶ岳周辺も昼頃から雨との予報である。

 

朝食(5:30)後、ストレッチを行い予定通りに東天狗岳に向かってスタートする(6:35)。黒百合ヒュッテの南側から樹林帯の中を急登すると開けた台地に出る。これから目指す天狗岳の双耳峰が目の前に良く見えている。左側が岩峰の東天狗岳(2,640m)、右側が緑色の灌木に覆われた西天狗岳(2,646m)です。さらに岩石だらけの登山道を進むと「天狗の奥庭」に着く(7:40)。ここは昨日通った「白駒の奥庭」と異なり、大きな岩石が累々とある明るい大きな奥庭で、周囲にはシャクナゲが残っていて綺麗である。前方を見ると天狗岳の手前のピークと東天狗岳の最後の登りにゆっくりと動く先行のパーティーが見えている。

 

ここで我々のパーティーに体調不良者が出て、6名が黒百合ヒュッテに戻ることにした。西側の諏訪方面に黒い雨雲が急に出てきた。残り10名で先を急ぐことにする。小さなピークを過ぎる頃小雨がきたが、分岐点である主稜線に出たころには雨は上がった。南への稜線を行き、岩屑の登りを天狗の鼻と呼ばれる岩峰を右側から巻き込んで急斜面を登り詰め東天狗岳の頂上に立つ(8:50)(2,640m)

南方の根石岳は見えているがその先の八ヶ岳の主稜である赤岳はガスの中で見えない。西方には西天狗岳(2,646m)が手の届くところに見えているが、今回は予定通り北側への主稜線を中山峠に向かって下降する(9:00)

 

大きな岩石を乗り越え、ルートを選びながらの下降である。登山道は八ヶ岳の縦走路なので、高齢者のパーティー、高校山岳部のパーティー、若い女性単独行者等多くの登山者とすれ違う。やがて北八ヶ岳らしい苔に覆われた樹林帯を下り中山峠に着く。ここからは昨日通った木道を歩き黒百合ヒュッテに戻る(10:10)。ここで少し早い昼食をとり、渋の湯に向かって下って行く(10:45)。心配していた天候は持ちそうである。暗い樹林帯の尾根筋の道を下って行くと、やがて八方台への分岐点に出る。右側の渋の湯への沢筋の道を下降する。途中悪路が多くあり、巻道が整備されている所が数か所あつた。長い樹林帯の中の曲がりくねった登山道を行くとやがて登山指導所が見えてきて、渋の湯温泉に着く(13:25)

 

 

 疲労回復のストレッチ後、バスにて御射鹿池に向かう。御射鹿池は東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフとして有名になった人工のため池で、現在は観光バスの駐車場も整備されている。池の周りも綺麗に整備されており、対岸はまるで絵の中の白い馬が出てくるような雰囲気でした。その後バスはしばらく走って「音無しの湯」に到着(14:10)。風呂で二日間の疲れを癒し、ビールで喉を潤している間、外は土砂降りの雨でバスが発車する(15:30)まで降っていました。帰路は諏訪ICから中央道に入り、双葉SA,石川PAにて休憩する。八王子近辺で事故渋滞に遭遇しましたが、ほぼ予定通り谷津船橋ICに帰着する(19:45)。天候に恵まれ、二日間無事に終わったことをパーティーの皆様に感謝致します。お疲れ様でした。           

 

                                                                           (記:矢島)