第142回 山行記「山梨・大石峠」2018.10.22

 

定刻0530 参加15人が乗車して出発。集合時暗かった空がようやく白み始めた0542谷津船橋ICより高速道へ。途中渋滞もなく首都高~中央道を進み談合坂SA20分休憩、河口湖ICへむかう。この頃からカーブを曲がる度富士山が顔を出し、5合目まで冠雪した富士は朝日を浴びて清々しく今日の山行を祝っているようだ。河口湖大橋を抜け0810大石公園に到着した。10分程カメラタイムをとり、皆カメラやスマホを片手に湖畔に急ぐ。快晴の空に富士山がくっきりと浮び、湖水にはみごとな逆さ富士が映る。

 

登山口には適当な場所がないという事で準備体操をしてから再びバスに乗る。工事中の細い間道を抜けバスが旋回できるギリギリまで進めて予定通り若彦トンネル脇で下車する。案内役進藤さんの周到な計画が感じられる。

 

 

 

0830登山開始。快晴無風だが気温湿度とも低めに感じる絶好の登山日和だ。

 

20分ほどで舗装道路を離れ登山道へ。登り開始直後、道は緩やかな傾斜で見通しも効くが、台風で吹き飛ばされた杉の葉に覆われて山道を見失いしばらく立往生。先導する進藤さんの機転でようやく本道に戻り事なきを得る。

 

 

 

101日深夜に列島を縦断、記録的な被害をもたらした台風24号は、ここ大石峠も直撃したようで、登山道は絨毯を敷きつめたように杉の葉や落枝で覆われ、随所に太い杉が根元から覆り、または途中からふたつに折れて無残な姿を晒している。

 

ただ道を遮る大木はなく、跨いだり迂回する障害物が数カ所あるのみで登行に問題はない。途中急な傾斜地もあるが短いつづら折りの道が続き積もった杉の葉がクッションとなって足への負担は少ない。時折踏んだ枝が跳ねて足にまとわりつく他は疲れも少ない。 

 

高い杉木立からさす木漏れ日、道を覆う緑の絨毯、無残な姿をさらす倒木、行き交う登山者もない静寂の山行。長い年月でいくつもの山を登ったが、このコントラストは初めての経験だ。

 

 

 

杉林を過ぎると道は柔らかな土道になるが、今度はイノシシの掘り跡と思われる窪地が随所に現れる。また風でなぎ倒された灌木の皮がきれいに剥かれているものもある。イノシシが木の根を漁り、シカが皮を食べる。どの山も秋にはドングリなど木の実が豊かに実り、野生動物も食べ物には不自由しないはずだが、これも台風の影響だろうか。登り始めて2時間半、予定より40分早く1100に大石峠到着。花の峠として知られているが今は花畑もなく、矢島さんが岩陰に咲く小さなリンドウを見つけたのみ。

 

 

 

なだらかな草地。ススキの穂が南側に開けて眺望が効き眼前に雄大な富士の山容が迫ってくる。小山さんが富士山をバックに集合写真をとるが完全な逆光で顔が映らない。(後に映像担当の伊藤忠さんが画像処理で復旧、HPトップに掲載する。)

 

三々五々昼食をとる。快晴だが日差しが柔らかく、眺望を楽しむ者、写真を撮るもの、寝そべってうたた寝するもの。1140まで各々至福の時間を過ごす。ゆっくり休憩した後、予定より30分早く下山開始、登行した道を引き返す。

 

下山も足の負担は更に軽く、何事もなく1320登山口に到着無事山行を終えた。

 

 

 

立ち寄り湯は山中湖温泉の「紅富士の湯」。山楽会で過去数回利用したというが大浴場は2階にあり清潔で浴槽も広く、露天風呂からは富士山も眺望できる。ここからの富士山は秋から冬にかけ条件が良い日には朝日を浴びて文字通り紅富士になるという。機会があればぜひ見たいものだ。温泉は少し温度は低いが湯質は柔らかく、肌にやさしいアルカリ性単純温泉との事。汗を流してからビールで喉を潤し、ゆっくり歓談して1600出発帰路につく。帰路は多少渋滞あったが予定どおり1930帰着できた。

 

 

 

今回山行はハードなトレッキングを期待していた向きには少し物足りなかったようだが、悪路や台風被害を心配していた自分には足にやさしい穏やかな山行だった。またこれだけ長時間さまざまな角度から富士山を堪能できたのも初めての経験であった。

 

 

 

今回ルートの事前確認を行い周到な準備をして頂いた案内役の進藤さんに感謝します。そして参加15人のチームワークとご協力に感謝します。ありがとうございました。これからも安全で楽しい山行を・・。

                                                                            (担当4班 苗村記)