第146回 山行記「矢倉岳」2019.2.25

定刻0530 参加15名が乗車して出発。昨夜の関東南部の天気予報は午前中雨で所により本降りとあった。出発してからもネットで調べる予報は午前中雨のち曇りで多少は降られるものと覚悟する。首都高~東名自動車道と抜けるが全く渋滞もなく予定より1時間程早く740に足柄峠に到着する。雲は低く垂れこめているが、雨は上がったようだ。すぐ近くの足柄城址公園で山行準備。

入念にストレッチをした後810に出発。なだらかな舗装道路を20分程歩くと足柄万葉公園に着く。県道と並行した細長い傾斜地が公園になっている。ここ足柄峠は奈良・平安時代から東国と西国を結ぶ交通の要衝で、今から1200年程前奈良時代に編纂された万葉集に、この足柄峠を行き交う人の歌が数多く載せられていると言う。特に遠く九州などの防備に赴いた防人が家族と別れる惜別の歌、遠国に送った夫を偲ぶ歌など今でも演歌に歌われる情念がはるか昔から繋がっているのだとふと想う。万葉公園を出る頃から雲は切れ朝日が差し込む。今回山行に限って予報は見事にはずれ自称「晴れ男・晴れ女」などの声が明るく響く。

矢倉岳に向かう道に入ると、そこは良く手入れされた檜林で見事な幹の間に間伐材が積み上げられている。山腹を巻くようにアップダウンのある登山道を進むと少し展望が開けて矢倉岳が見えてくる。お椀をかぶせたような山容は小さな谷を挿んでまだ遠くに見えるが道は歩きやすく足への負担はあまりない。途中2か所程雨水に抉られた場所があり間伐材を束ねただけの橋があり慎重に渡って清水越に至る。ここからはかなりの急登。広い階段状に丸太が組んであるが登りにくく脇をジグザグに進む。20分ほどで登りきるとそこが山頂。予定より1時間早い950に到着する。

山頂はなだらかな草原だ。空は晴れて西側に富士山。静岡側の裾野から雪を被った山頂まで大きな稜線を描いて壮大なパノラマを見せている。金時山から見る富士とは違う葛飾北斎の描く「赤富士」の世界だ。南は箱根の山々、大涌谷の噴煙が遠くに見える。集合写真を撮って三々五々弁当を広げる。いつもよりゆっくりと50分、景観を楽しむ。1040下山開始。往路を戻るピストン山行だ。清水超までは下りも厳しく滑りやすい。ゆっくり下って1200に足柄峠到着。無事に山行終了する。

クールダウンした後バスに乗車。1230立ち寄り湯到着。今回の立ち寄り湯は小山町町民いこいの家「あしがら温泉」。早い時間帯だが駐車場はほぼ満車。中に入ると新しくて清潔な感じ。観光客よりも地元の人が多く訪れる施設のようだ。浴場から富士山が意外に大きく正面に見える。昨年から数度に渡り富士山の見える温泉に入ったが、内湯でこれほどの富士山が見えるここが最高か。ゆっくり露天風呂も楽しんで湯上りは缶ビールで乾杯。1415 帰路につく。御殿場ICから東名自動車道に入り首都高を抜ける。例によって数本の日本酒とワインを空けて至福の時間を過ごし1630谷津船橋IC着、先月に続き早い帰着となった。今月は絶好の登山日和となった天気、登りやすく足への負担が少ないコースと壮大な富士の眺望、快適でゆっくり入浴出来た温泉と3拍子揃った申し分のない山行でした。参加者15人のチームワークと協力に感謝します。ありがとうございました。次回も安全で楽しい山行となるよう祈ります。                                                       (4班 苗村記)