有志山行記「北ア・常念岳2857mから蝶が岳2677mへ縦走」2019.8.5~8

 北アの盟主、槍ヶ岳・穂高連峰を右(西側)に観ながら山岳パノラマを満喫して大縦走する「北ア入門コ-ス」。夜行高速バス利用、山小屋に2泊し「2座」を極める「中級コ-ス」。山楽会では10年前の2009年8月・第3回・夏の特別山行の実績あり。昨夏の「槍ヶ岳」山行の際に眺めた「常念岳-蝶が岳・縦走を来夏に」と予定。その時の同行メンバ-2名に4名を加え女性4名、男性3名総勢7名が参加。山楽会として3年振り9回目の「特別(自主)山行」。10年前の山行が、自分が「初の北ア入山」で感動した時と同じコ-スに再度、挑戦すると共に、若い方に感動を体験・味わって貰うべく計画・実行した。

 

コ-ス概要「一の沢コ-ス」:一の沢林道終点1300m-王滝-常念乗越(のっこし)2460m-常念小屋2450m(宿泊)-標高45位・日本百名山・常念岳2857m-お花畑-蝶槍-蝶が岳ヒュッテ2660m(宿泊)-96位・蝶が岳2677m-「長塀(ながかべ)尾根コ-ス」:妖精の池-長塀山2565m-徳澤-明神-上高地・河童橋1505m。

 

行程(実績)

5月曜竹橋・毎日新聞社前から「常念岳行き“毎日あるぺん号”」22:30時出発、

6火曜 4:30一の沢林道終点到着、『登山届』提出、朝食・出発準備・体操5:20出発-5:40山の神-6:50王滝ベンチ-9:15胸突き八丁-11:15常念乗越-11:30【常念小屋2450m】、

7水曜 6時・小屋出発-7時【常念岳2857m】頂上-7:40「2512mのピ-ク」-9:20「2592mのピ-ク」-お花畑-11:05「蝶槍2664m」-12:45「蝶が岳三等三角点2664.32m」-13:30【蝶が岳ヒュッテ2670m】、

8木曜 6:10・ヒュッテ出発-6:15【蝶が岳2677m】頂上:長塀尾根分岐-6:39妖精の池-7:12「長塀山2565m」-10:30徳澤(園)-上高地・河童橋12:30到着。13時「上高地温泉ホテル:日帰り入浴」-14:40上高地BTL「路線Bus」出発-新島々15:45乗り換え松本電鉄16:04-松本駅16;35。JR松本駅17:18「船橋駅20:38停車の座席指定特急あずさ30号」で帰宅。

 

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昨夏同様、幸い台風8号が逸れて連日晴れの恵まれた山行。心配した雷雨は14時頃に、蝶が岳ヒュッテ到着後のみ。「槍ヶ岳から穂高連峰、焼岳、遠く乗鞍岳、御嶽、浅間山、富士山などの展望」を堪能できた。「夕焼け、日の出、滝雲、雷雨後の虹も。登り/下山樹林帯の「駒鳥などの囀り(さえずり)」。赤トンボ、一の沢源流付近での「野生の猿」、常念岳-蝶が岳縦走中に「ホシガラス」、蝶が岳ヒュッテ付近で日没写真を撮影中の「雷鳥親子」との出合い。一方、期待した高山植物は温暖化の影響?盛りを過ぎ少ない。印象に残った花:黄色い「ニッコウキスゲ、オトギリソウ、シナノキンバイ、マルバダケブキ、ウサギギク」、白い「コバイケイソウ、ゴゼンタチバナ」、橙色「クルマユリ」、クリ-ム色「イワオウギ」、紫色「リンドウ、トリカブト」等。山小屋は、思ったほど混雑無く個室状態の部屋確保出来て、料理も特に「常念小屋のハムバ-グ、蝶が岳ヒュッテの岩魚の甘露煮」は美味しかった。初山行の男女2名は、思ったより好調で心配無く山行できた。トラブルは2.3有ったが、皆協力し合って乗り切った。*山小屋・帰路の車中で女性達から「2020年は北ア・双六岳-三俣蓮華岳」の希望有り。

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山行記録

5月曜竹橋・毎日新聞社前「常念岳行き毎日あるぺん号」、ほぼ満席23時出発。調布ICから中央道に、談合坂SAと諏訪湖SAでトイレ休憩。

6火曜晴れ、02:46安曇野IC、04:25一の沢林道終点1300mに到着。『登山届』を登山指導所備付け箱に。仄暗い中、軽い朝食・登山準備・準備体操・登山入口で記念撮影後、常念小屋まで標高差約1200m/5.7kmを昼頃までに着く計画で05:20出発。「一の沢」左岸の樹林帯を緩やかに登り、20分後「栃の樹の下に祀られた山の神」に安全登山を祈る。我々7名以外の登山者は5-6人と少ない。段々と朝の光に照らされ登山道や林が明るくなり、甲高い駒鳥の囀りと沢の瀬音が

心地良く感じる樹林帯の登山道は、10数cmの石が有り歩きにくい。河原に出て涸れた沢を横切って行くと、3回目の休憩で清水が流れる06:50「王(大)滝1610m」に到着。標識「王滝ベンチ」には親切に「登山口標高1300mと標識までの距離km/標識から常念小屋2460mまでの距離km表示」有り目安になる。見上げると青い空に白い雲。晴天が期待できそ。気温は少し高めだが20度位で涼しい。少しずつ昨夜「常念小屋」に泊まった登山者が下りてくる。王滝からは急な登りとなり、07:25「烏帽子(エボシ)沢1750m」に。沢を左に見ながらユックリ登って行くとダケカンバの木が目に入る。沢は大きな岩がころがりその隙間を綺麗な水が涼しげに流れ落ちている。「笠原沢出会い」の橋を渡り左岸を登ると09:15「心臓破りの登り:胸突き八丁2090m」の登り口に到着。崩れかけて脚幅に合わない階段をハアハア言いながら登って行くと斜面にはコバイケイソウ・アザミなどの高山植物。途中、沢の左にロ-プが張られた一の沢源流付近の残雪を見下ろしながら登る。野生猿の鳴き声がした数分後、数m先の登山道に人を恐れない?一匹の成人猿に出合う。河原に出て仮橋を渡り沢の対岸に移り、09:55「最後の水場」に到着。空になったペットボトルに冷たい水を汲み補給。標識には2250m最終水場」+950m/4時間35分/4.7km。ここから針葉樹林帯の小さな尾根を幾つか巻いて登り稜線まで「3か所の丸太ベンチ」を目標にユックリ高度を上げる。10:15第一ベンチ「あと(稜線まで)800m」の表示、10:40第二ベンチ「あと500m」、数字が短くなる度に元気が出てくる。10回目の休憩10:55「あと300m」に着く。明日登る予定の「常念岳」を左上に見上げながら最後の登り。そして11:25「今日の終点:2460m常念乗越」に計画通り全員無事に到着。登山口から標高差約1200m/5.7km/6時間5分。赤い屋根の「常念小屋」は西側真下にある。皆一斉に感嘆の声を上げたのは、小屋の後ろに広がる青空と「穂高連峰の大パノラマ」だった。自分には10年振りの再会! 記念撮影、皆の達成感溢れる笑顔が印象的、山行に誘って良かった! 11:30小屋で受付。今年で100年目を迎えた記念の木札を受け取る。10年前「90周年記念木札:3070番目」の焼き印有ったが今回は「常念坊、百周年」の焼き印のみ。部屋は6人部屋個室と同じ。敷き蒲団は6枚、チャック付き寝袋と枕が7組置いてあった。着替えの後、昼食の前に部屋でCool-Downを10数分、疲れをほぐす。食堂隣接のテント食堂で14時頃まで談笑。部屋に戻り、ザック整理、夜行バスの寝不足を補うべく、全員が夕食寸前の16時半まで昼寝。夕食は17時から、19時前の外は曇り空で夕陽と星空は望めず19時半過ぎには寝床に。少し暑く寝苦しかった。

7水曜晴れ一時曇り、4時起床。5時前に「日の出と槍・穂高に映るMorgen-Rot(朝陽)」に期待して眺めるが、指定された朝食時間5時が迫り諦める。一日のスタ-トの朝食に「岩魚の甘露煮」が。朝陽を背に受け準備体操の後、青空・晴天が期待できる中、朝陽に輝く「大パノラマ」を西に観ながら頂上を目指し出発05:58。「常念岳」まで標高差約+400m。最初は砂利道、段々と険しいハイマツと砂礫の道。早朝に荷物を置いて下山してくる登山客が増える。傾斜がきつく不安定な浮き石に注意して登る。大きな岩が現れ、所々に現れる赤い矢印を見つけ会話が消え黙々と高度を上げてゆく。ほどなく傾斜が緩くなり、再び巨岩が重なり合う登山道を右に向かって登り7:30「常念岳2857m」頂上に到着。山頂は狭く登山客が記念撮影に順番待ちで混雑。小さな祠と展望案内盤が有るが観る余裕が無かった。直下広場の標識ある場所からは360度の素晴らしい展望が。特に梓川を挟んで「槍ヶ岳、穂高連峰、焼岳、笠ヶ岳」の眺めは抜群。南には「御嶽山、乗鞍岳」、振り返えれば遠く「八ヶ岳と南アの間に富士山」、この日「水蒸気爆発噴火の浅間山」も。大展望を満喫した後は、花崗岩で出来た岩稜には奇岩を見ながら次から次へと群がり重なり合った稜線を急降下して今夜止まる「蝶が岳ヒュッテ」目指す。苦労して折角登っても又、下る「3つの偽ピ-ク」が待ち受ける。最初は2460mの最低鞍部から岩稜を登り返し08:10「2512m第一ピ-ク」。東側斜面に「霧」が発生し上ってくる。西側は少しの雲海のみで眺望は良い。次に灌木帯の東斜面を登って「ヒュッテまで約3km」の標識。10:55「2592m第二ピ-ク」に着き、目の前に「蝶が岳の頂上・稜線」が見えてきた。ここから、お目当ての高山植物が多い「お花畑」に下りるが、見頃は過ぎて残念。草原の東斜面をなだらかに下り樹林帯の登山道を歩く。池塘を過ぎ、又、樹林帯を抜け鞍部に下る。この鞍部から眺めると、穏やかな山容にチョコンと槍を突き出して愛嬌ある「最後の偽ピ-ク:長槍2664m」標高差+200mの登りが始まる。途中11:45、各自持参の軽食を取り休憩。灌木帯をジグザグに森林限界を越え、ハイマツと砂礫の登山道を登ると12:30「長槍2664m:ヒュッテまで1.6km」の表示。西側を巻き地図上の「蝶が岳三等三角点2664.32m」到着12:45。西側には「槍・穂高連峰」が相変わらず美しい姿で聳えている。南側に稜線が二つある「二重山稜」が望める三角点を後にして緩く下り、12:58横尾からの分岐を過ぎ、二重山稜の西側を登りヒュッテ目前の「槍ヶ岳展望台」13:24到着。そして13:30今日の終点「2670m蝶が岳ヒュッテ」に計画通り全員無事に到着。常念小屋から累積標高差+565m/-345m/7時間32分と長時間、皆さん疲れた。割り当てられた部屋は2階12人部屋に、我々7名と男性2名でユッタリ寝れる。部屋から「穂高連峰」が望める角地。10年前に泊まった20人部屋は残っていた。着替えて部屋でCool-Down。その間「雷雨」になり食堂やロビ-が混雑、全員の席確保できず「男性3名のみ缶Beerで乾杯」。東の空に雨上がりの「虹」を発見。17時・夕食。17時半過ぎから「常念岳に映るAbend-Rot(夕陽)と槍・穂高連峰に沈む夕陽」を観るために「槍ヶ岳展望台」へ。残念ながら雲が邪魔してAbend-Rotはダメ。なかなか沈まない夕陽を眺めている最中の16:42、何と同時に「虹と滝雲」が南方角に。18:44日没寸前の槍・穂高連峰を背に帰る途中、「半弦の月」と早朝や霧の中以外「晴天・夕方」では初めて「母鳥と子3羽の雷鳥4羽」に出逢う。これらの眺めと出会いに、今日の疲れが癒された気分に。20時に就寝。

8木曜晴れ、4時起床。5時前に「日の出と槍・穂高に映るMorgen-Rot」を観る。今日も青空、快晴。朝食5時半、ヒュッテ前で準備体操、6:10ヒュッテ出発。最終日の今日は「蝶が岳頂上から長塀尾根ル-トで徳澤」へ標高差-1115m/5km。5分余りで南側の「蝶が岳最高点:長塀の頭2677m」に06:15に着く。記念撮影して06:25下山開始。南西に伸びるハイマツの尾根を下り、ダケカンバに囲まれた平らな登山道を行くと「線状窪地(船窪)、妖精の池」に06:39。周囲に高山植物が朝露に濡れて光っている。針葉樹林帯の尾根道を緩く上下しながら船窪地形中央の草原を行き、前方の急斜面を登り「長塀山2565m」に着く07:12。ここから急な下りとなり緩く薄暗い道に。左方向に曲がるとコメツガが目立ち明るさが戻る。倒木が目立ち始め、深い樹林帯を下り、平坦地に一度出るが又、木の根っこが張り出したジグザグ道の急な下りが続く。3日間の溜まった「蓄積疲労」で遅れがちになるが、何とか10:30「徳澤」に着く。「徳澤園名物:ソフトクリ-ム」を味わう。計画より30分遅れで12:30全員「河童橋1505m」に無事集結。日帰り温泉「上高地温泉HOTEL」まで約30分、入浴時間は30分弱と短く女性には申し訳けなかった。BTL・2F食堂で「遅い昼食」を味わう。14:40上高地BTL「満席の路線バス」出発、新島々駅・13:45、松本電鉄に乗換え14:27、JR松本駅14:35到着。土産や夕食の調達。JR松本駅15:18始発・満席「あずさ30号」、船橋駅20:38到着。ここで解散・各自が分散帰宅。

【記録:笹川満】

 

2019-8-6Tue 11:25 常念乗越2460m

  8-6Tue 100周年の常念小屋     8-7Wed 07:31 常念岳2857m頂上

 8-7Wed 07:40 頂上から穂高連峰・槍ヶ岳を

8-7Tue 常念岳から槍ヶ岳を 8-7Wed 16:50 蝶が岳Huetteと虹、滝雲が同時に

8-7Wed 18:45 蝶が岳Huette付近から日没近い「槍・穂高連峰」

2019-8-8 Thu 06:15 蝶が岳頂上2677m      2019-8-8Thu 12:30 全員無事に下山、河童橋に集合。